「全館空調」を徹底解説!気になるメリットデメリット【2024年度】

2024/02/10

こんにちは。

自然素材で作る高性能なパッシブ住宅、wanoca(わのか)の中井です。

今回は「全館空調」について説明させていただきます。

目次

1.全館空調とは

2.全館空調のメリット

3.全館空調のデメリット

4.全館空調は後付けできるの?

5.全館空調導入にかかるコスト

 

1.全館空調とは


全館空調とは、24時間365日家中の空気を空調により循環させて、家全体の温度を一定に保つシステムのことです。

各部屋で空調を行うエアコンや暖房器具などと比較して、お風呂場や洗面所、トイレや廊下など、家の隅々まで一定の温度に保つことができるので、家のどんな場所にいても快適な温度で過ごすことが可能です。 

全館空調の仕組みはメーカーや方式によってさまざまな種類が存在します。

天   井   吹 き 出 し   型:天井に冷暖の吹き出し口を設置

床  下   冷    暖   房   型 :床下を断熱して冷暖を蓄熱し、輻射熱とガラリで送風を行う

壁     輻    射    熱    型   :壁に冷暖房パネルを設置し、冷暖を行う

壁掛けエアコン応用型:1台の高性能エアコンからダクトを通じて冷暖する

2.全館空調のメリット


 

2-1.快適で健康的

全館空調の最大のメリットは家全体を一定の温度に調節できるということです。 快適性だけではなく健康面にも大きく影響します。

急激な温度変化によって引き起こされるヒートショックは特に冬場のお風呂場やトイレで起こりやすいと言われています。

また、最近では夏の暑さで室内にいても熱中症にかかる例も少なくなりません。 そんな暑さ、寒さによる健康被害も全館空調を導入することにより軽減されると言われています。

小さな子供からお年寄りまで安心して過ごせる住まいづくりの一環として、近年ではバリアフリー設備の一例として全館空調を導入する人も増えています。

2-2.家中クリーンな空気で過ごせる

多くの全館空調には空気を換気するシステムが搭載されており、そこに高性能フィルターによる空気清浄システムが備わっている事があります。

高性能フィルターにより外の空気中に含まれる花粉やPM2.5などの汚染粒子を除去し、クリーンな空気を家中に行きわたらせる事ができるので、花粉症やシックハウス症候群などのアレルギー体質の人にも、症状の緩和効果があると言われています。

 

2-3.熱交換換気システムと併せて無駄なく家中さらに快適に

一部の全館空調システムには「熱交換換気システム」を搭載しているものもあります。 これは冷暖房により快適な温度になった空気を再利用(熱交換)しながら空気を入れ替えるシステムです。

これにより、換気によって温度や湿度が失われる事を防ぎ、冷暖房の効率を高める事ができるので、省エネ効果も期待できます。

 

 

2-4.シンプルでスマートな外観が可能

各部屋にエアコンと室外機を設置する通常の空調に比べ、全館空調は空調機の台数が大幅に減るので、外観がスッキリとした印象になるだけではなく、

室内もシンプルな見た目に保つ事ができます。

生活家電や日用品が見えてしまい、オシャレな部屋づくりができないと悩んでいる方は全館空調を採用することによりスマートな空間づくりを目指す事ができますよ。

 

3.全館空調のデメリット


3-1.部屋ごとに温度調節をすることが難しい

全館空調は室内全てに同じ温度の空気を循環させるシステムなので、部屋ごとに温度を調節する事は出来ません。

家族それぞれの「ちょうどよい」温度が異なる場合は扇風機やストーブで対応することをお勧めします。

3-2.冬場は乾燥しやすい

全館空調は気密性断熱性の高い家で採用される場合が多く、外の空気の影響を受けづらくなっています。

そのため、冷たい空気が部屋の中に入ると相対湿度が下がり、空気の乾燥を感じやすくなってしまうのです。

この場合、2-3で紹介した「熱交換換気システム」導入すれば、乾いた冷たい外の空気が家に入ってくる事を防ぎ、乾燥を感じにくくなります。

3-3.定期的にフィルターの取り換えが必要

一般的なエアコンなどと同じく全館空調でもフィルターの掃除や取り替えが必要となります。

メンテナンスの頻度はメーカーによって異なりますので、導入する際はチェックするとよいでしょう。

全館空調は通常のエアコンより仕様時間が長くなりやすいため、頻繁なお手入れが必要になってきます。

空調システムの中には、メンテナンスやお手入れの手間を考慮して家庭用エアコン1~2台で空調を行う方式もありますよ。

3-4.カビの心配

全館空調と検索するとダクトの中にカビが生えるというマイナスな口コミを目にすることがあります。

カビは喘息を引き起こすなど健康を害したり、家が傷む原因にもなったりする上に、一度発生してしまったカビを除去するのは容易ではありません。

実際、全館空調システムのダクト内が結露して、そこにカビが生えてしまうという事例も多くあります。

しかし、家そのものを高気密・高断熱の高性能住宅にする事でそのリスクを抑える事が可能です。

結露はダクト内の温度と周りの空気の温度差により発生します。よって、ダクトが通る屋根裏や床下に断熱を施し、

ダクト内外の温度を均一にすれば結露は発生しないのです。

結露が発生しなければカビも発生しない。これにより、カビが発生しにくい全館空調の家が出来上がるのです。

 

4.全館空調は後付けできるの?


全館空調はリノベーションにより後付けすることが可能です。

ただし、以下の点に注意しましょう。           

・断熱性・気密性を上げるために大規模な修繕工事が必要

・ダクトなどの設置により居住スペースが狭くなる可能性がある

・工期の長さ

 4-1.全館空調設置に必要な修繕工事

全館空調を導入するためには、冷暖房効率が良くなるように、ある程度の気密性と断熱性を確保しなければなりません。

現状の性能を計測し、適切な性能の改善計画と空調計画を作成してくれる工務店を選ぶと良いでしょう。

4-2.居住スペースが狭くなる可能性

全館空調は主にダクトを利用して空気を循環させているため、天井裏や壁にダクトを通すスペースを作らなければなりません。

そのため居住スペースが狭くなる可能性があります。

4-3.工期の長さ

エアコンの設置は1日ないし数時間で終わる事がほとんどですが、全館空調のリノベーションは1週間以上かかると見込んだ方が良いでしょう。

また、全館空調導入に伴い、家全体の気密性・断熱性を上げるための工事を加えれば全面改修と同じ期間がかかります。

作業を行う工務店などにしっかりと確認相談をすると良いでしょう。

 

 

5.全館空調導入にかかるコスト


全館空調の導入コストはハウスメーカーごとに異なります。導入コストの相場は100300万程度といわれ、以下の内容によって異なってきます。

・冷暖房の方式

・配管の長さや複雑さ

・空調質の設置有無

・配線設備

・性能

 全館空調の導入を検討している方はコストの比較もしっかりと行いましょう。

 

ただし、導入コストが安くてもメンテナンス費用やランニングコストが高額になってしまっては意味がありません。

また、メーカーごとの保証期間も様々なので、保証期間を比較する事も大切です。

30年先の将来も見据えてこれらの条件を検討したいものですね。

 

以上で「全館空調」徹底解説!を終わりにします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

いかがでしたか?全館空調のメリットとデメリットをしっかり把握して導入を検討してみてくださいね。

皆さんの家づくりが満足度100%になるように願っています。

 


京都で注文住宅を建てたい方へ


wanoca(わのか)では気密性・断熱性を高めた高性能住宅とパッシブ設計の考え方を掛け合わせた省エネルギーの全館空調システムを全棟で採用しています。

このシステムはランニングコスト、メンテナンス費用、お手入れの手間を考慮して、家庭用エアコン2台(夏用1台、冬用1台)だけで家中の温度をコントロールするものです。

気密性(C0.3以下)と断熱性(断熱等級6(HEAT20G2グレード)以上、Ua0.46以上)を高めた高性能住宅と、緻密な計算により自然のエネルギーを最大限利用するパッシブ設計の考え方を掛け合わせることにより、家庭用エアコンでも快適かつ省エネルギーで持続可能な生活を送る事ができるのです。

また、wanoca(わのか)の全館空調システムには「高性能フィルター付き第一種熱交換換気システム」も搭載されています。

熱交換換気システムにより換気による温度や湿度のロスを抑え、高性能フィルターにより花粉やPM2.5などの外気に含まれる汚染物質を取り除く事で、省エネルギーでクリーンかつ適温の空気を家中に行き渡らせる事が可能です。

京都で注文住宅をお考えの方はぜひwanoca(わのか)までご相談下さい。