性能向上リノベーションで家を快適にするための最新技術とは

安心快適な暮らしの要である住宅性能、一度家を建ててしまったら変えられないとお思いの方も多いのではないでしょうか?
実は違います。
住宅性能はリノベーションで高める事ができるのです。
今回は住宅性能を高めるリノベーション「性能向上リノベーション」について詳しく解説していきます。
目次
▪高性能住宅とは?
▪性能向上リノベーションとは?
▪性能向上リノベーションで断熱性を高めるには?
▪性能向上リノベーションで耐震強度を上げるには?
▪性能向上リノベーションが必要か、セルフチェックしてみましょう
▪性能向上リノベーションで申請できる補助金情報
▪性能向上リノベーションを行うには?
高性能住宅とは?
最近ハウスメーカーのHPやチラシなどで見かける「高性能住宅」文字ですが、高性能住宅とは一体何が高性能なのでしょうか?
高性能住宅に明確な基準は有りません。
しかし一般的には快適に暮らすために必要な「断熱性」「気密性」「耐震性」「省エネ性」の要素が備わった住宅を指します。
それぞれの要素を簡単に解説してきますね。
【断熱性】
住宅の保温性です。
外からの熱を遮断し室内の熱を外部に逃がさない断熱性の高い家は家の中の温度を一定に保ちやすく快適に過ごせます。
また、空調により調節した温度が失われにくいので、エネルギー効率の良い省エネ住宅であるとも言えます。
住宅の断熱性にはUA値(家全体の熱が外皮からどのくらい失われやすいかを表す数値)が用いられ、UA値が低いほど熱を逃がしにくく断熱性が高いと言えます。
【気密性】
家の隙間をどれだけ無くし、外と室内の空気の出入りを少なくしているかという事を指します。
気密性の高い家は隙間の少ない家という事です。
これも断熱性と同様に室内の温度を一定に保つ事やエネルギー効率を上げ、省エネであるかという事に関わってきます。
また、気密性の高い住宅は花粉やPM2.5などの外部の有害物質が侵入しにくいとも言えます。
気密性はC値(建物の延床面積の中の家全体の隙間面積を表す値)を用いて数値化されます。
C値が低ければ低いほど、気密性の高い住宅であると言えます。
【耐震性】
耐震性とは字のごとく、地震への耐性の事。
耐震性は耐震等級で表現され、1~3の等級が存在しそれぞれ以下のように定義づけられています。
耐震等級1:阪神・淡路大震災相当の地震でも倒壊しない程度
耐震等級2:阪神・淡路大震災相当の1.25倍の地震でも倒壊しない程度
耐震等級3:阪神・淡路大震災相当の1.5倍の地震でも倒壊しない程度
耐震等級1より耐震等級3の方がより安全であると言えます。
2016年4月に発生した熊本地震(最大震度7)では、耐震等級3の住宅には大きな被害は見られなかったとの調査結果もあります。
耐震性が不十分であると、例え倒壊は免れたものの損傷が激しく住める状態ではない、という状況も起こりうるのです。
耐震等級の取得は必須ではありませんが、安心して暮らすためには無視できない項目となってきます。
【省エネ性】
電気代やガス代などの光熱費が高まっていく中、快適な暮らしを長く継続していくためには日常生活でかかるランニングコストを抑える事も大切です。
性能向上リノベーションとは?
性能向上リノベーションとは、中古住宅における一般的なリノベーションで行われる間取りの変更や内外装の刷新、設備の更新・改修に加え、断熱性能と耐震性能の向上を伴う改修を施す事です。
また、リノベーションは新築より費用が安く済むだけではなく、環境への負担も軽減します。
一軒の家を解体するのに出る廃棄物は約35トン、柱や梁などまだまだ使える部材を再利用し、機能性を上げて長く住み継ぐ事のできる丈夫な省エネ住宅へと変身させる性能向上リノベーションは持続性可能な社会を目指して、未来・次世代を見据えた選択肢といえるでしょう。
リノベーションといっても家全体の性能を高める大規模なものから、リビングなど主な居住区のみ改修をし、住みながら実施する小規模なものまで、施主様の予算やライフスタイルに合わせた様々な方法がありますよ。
性能向上リノベーションで断熱性を高めるには?
住宅で熱が最も逃げやすいのは窓です。
よって、熱の逃げやすさと工事の手軽さから考えると窓→床→天井の順に断熱を強化するのがオススメです。
【窓断熱】
一般の窓ガラスは単板ガラスにアルミフレームと、熱が非常に逃げやすいものとなっています。
既存の窓はそのままに内窓を取り付け、二重窓にする方法や、窓を外して枠だけ残し、その上に新しい窓枠と二重ガラスの窓を取り付ける方法など予算とケースに合わせていくつか方法がありますよ。
先ほども書いたように窓は住宅の中で最も熱が逃げやすい場所です。
窓を強化するだけで、かなりの断熱効果を得る事ができます。
【床断熱】
窓の次に寒さの原因となるのが床の断熱です。
床への断熱材の設置方法は、居ながらにして床下から施工する場合と、既存の床板を剥がして床下に断熱材を設置、その後新しい床を貼り直す方法などがあります。
また、そこに床暖房を組み合わせる事で、さらに温かい空間に仕上げる事も可能です。
1階にLDKがある場合は窓と床に断熱を強化すれば主な居住空間の断熱はほぼ得られたといえるでしょう。
【天井裏断熱】
2階も快適に過ごしたい場合は2階の天井の断熱もオススメです。
夏は太陽の熱で屋根が強く加熱されるので、断熱が弱いと放射熱で頭が熱くなり、非常に不快に感じます。
逆に屋根や天井裏の断熱をしっかりとすれば夏の太陽熱を防ぎ、天井の温度が下がるため、ぐっと快適に過ごせるようになります。
また、冬も室内の暖房が逃げにくくなるので、1年を通じてメリットがあります。
こちらも居ながらにして天井裏に断熱材を敷き詰めたり吹き込んだりする方法と、天井を取り除き、新しい天井の張替えと同時に断熱材を施工する方法などがあります。
以上のように部分的に断熱を強化する方法から、住宅全体の内外装を全て剥がし、一度構造(軸組)だけのスケルトン状態にして家全体に断熱を施す方法など、ライフスタイルと予算に合わせて様々な方法があるので、じっくりと検討するとよいでしょう。
性能向上リノベーションで耐震強度を上げるには?
リノベーションの際、せっかく壁を剥がしたりするのでしたら、一緒に耐震を強化する事も検討してはいかがでしょうか?
日本は言わずと知れた地震大国、マグニチュード3以上の地震が毎月400回以上も起きており、国内の活断層は約2,000とも言われています。
気象庁が「国内では地震が発生しないところも、大きな地震が今後も絶対に起きないところもない」と発表している通り、私たちは常に地震の脅威と隣り合わせているのです。
地震が発生した際に、倒壊をまぬがれたとしても住み続ける事が不可能になるほどのダメージを受けてしまっては意味がありません。
大切な家に長く住み継ぐためにも耐震補強は必要となってきます。
では耐震性を強化する方法を確認してみましょう。
【屋根の葺き替え】
最も効果的と言われているのが屋根の軽量化です。
耐震性を重視するのであれば、瓦などの想い屋根材からガルバリウム鋼板などの軽い素材の屋根へ取り替えるだけでも効果はあります。
【壁の追加や補強】
間仕切りの壁の位置が偏っていると偏心率に影響を及ぼします。
よって、間仕切り壁を追加したり、既存間仕切り壁を耐震壁にしたりする必要があります。
また、既存の間仕切り壁に筋交(すじかい)を追加する事も効果的です。
【補強金物の設置】
柱と梁や筋交い、土台との接合部などに、補強金物を設置する事も効果的です。
日本の木造住宅の多くは「木造軸組工法」で建てられています。
柱や梁などの軸組みと呼ばれる木材の骨組みで建物を支える工法で、在来工法とも呼ばれています。
この工法は短い木材をつないで造られるため、地震や台風などで強い力がかかると繋ぎ目が弱点となり、建物が倒壊する恐れがあるのです。
耐震補強金物はこうした弱点を補うために使用されます。
性能向上リノベーションが必要か、セルフチェックしてみましょう!
☑断熱性セルフチェック
☑耐震性セルフチェック
性能向上リノベーションで申請できる補助金情報
現在国土交通省では2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、家庭部門の省エネを協力に推進するために、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する「住宅省エネ2024キャンペーン」を行っています。
住宅省エネ2024キャンペーンには子育てエコホーム支援事業、先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業など性能向上リノベーションの施工内容が要件を満たせば補助金が下りる場合があるので是非チェックしてみて下さい。
先進的窓リノベ2024事業では最高200万円までおりる場合もありますので、初期コストを抑えるのに助かりますね。
住宅省エネ2024キャンペーン:https://jutaku-shoene2024.mlit.go.jp/about/
性能向上リノベーションを行うには?
性能向上リノベーションを行えるお近くの施工店をお探し下さい。
また、高い技術力でアルミサッシなど多くのアルミ建材を生み出しているYKK APが主催する「性能向上リノベの会」では、お近くの加盟施工店を探すことができます。
性能向上リノベの会では、普段から勉強会などを通じてノウハウやの共有など性能向上リノベーションの技術向上を目指す施工店向けに、多くの支援を行っています。
このような会に加盟している施工店だとより安心して性能向上リノベーションを依頼する事ができますね。
性能向上リノベの会:https://pirenoconsumer.ykkap.co.jp/
いかがでしたか?
性能向上リノベーションが皆様の家づくりの選択肢の一つとなるきっかけとなれば嬉しいです。
私たちwanoca(わのか)は皆様 の家づくりを応援致します!
京都の工務店わのか(わのか)では「自然素材で作る高性能×全館空調のパッシブハウスを京都に」というテーマで高性能住宅を長年手掛けてまいりました。
そのノウハウを生かした性能向上リノベーションで古屋を高気密・高断熱・高耐震の家へと生まれ変わらせます。
性能向上リノベの会の会員でもあり、常に新しい技術を取り入れた最新の工法でお施主様のご予算とライフスタイルに合わせた性能向上リノベーションをご提案いたします。
京都で性能向上リノベーションをご検討の方はお気軽に家づくり相談会をご予約下さい。