パッシブハウスとは?エネルギー効率の高い家を実現する方法
2024/03/22近よく耳にする「パッシブハウス」
実はたくさんの技術が詰め込まれた地球にもお財布にも優しい究極の省エネ住宅だったのです。
パッシブハウスについて興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
パッシブハウスとは?
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パッシブハウスとは?
パッシブハウスとは環境先進国であるドイツで生まれた「家の省エネ基準」の認定を受けた家の事です。地球環境の悪化を止めるために、自然のエネルギーを利用したり、建物自体の性能を徹底的に高めたり、家のエネルギー効率を緻密に計算して家の消費エネルギーを抑えたりする必要があります。一見難しそうに聞こえますが、簡単に言えば地球のために、住まう家族のために、持続可能な「究極の省エネ住宅」という事。年々エネルギーコストが高まる中で、地球環境にもお財布にも優しいパッシブハウスは現代の住宅に最も必要とされている考え方と言っても過言ではないのです。
パッシブハウスの基準
パッシブハウスの認定を受け、パッシブハウスと呼べるようになるには3つの基準をクリアしなければなりません。
年間の冷暖房負荷が各15kWh/㎡以下
→床面積1㎡の1時間あたり暖房負荷が(室内での暖房使用時に一定の温度に保つために必要な熱負荷の事)が年間を通じて15kWh/㎡以下である事。気密測定によって測定します
家電も含む住宅全体の一次エネルギー消費が120kWh/㎡以下
→年間暖房負荷に加えて年間冷房負荷、家電のエネルギー使用量を加算したもの。気密測定によって測定します。
気密性として50Paの加圧減圧時の漏気回数が0.6以下
→気密測定で測定します
しかし、これらをクリアして認定を受ける事は難易度が高く、初期費用もかかるため、容易な事ではありません。よって、認定基準は満たしていなくても「パッシブ」の考え方を取り入れた「パッシブデザイン」や「パッシブ設計」といった省エネ住宅も存在します。
パッシブハウスの特徴
高性能な複層窓
窓は家の中で最も熱の出入りが大きい部分となります。よって、窓の断熱性能が悪いと家中の温度が外気に大きく影響されてしまいます。そこで、断熱性の優れたトリプルガラスの窓や樹脂のサッシを使用して窓の断熱性能を上げて熱の逃げにくい家づくりをする必要があります。
計算されつくした庇(ひさし)
パッシブハウスの最大の特徴は「自然のエネルギーを最大限に利用し快適性を実現する設計手法」にあります。よって、夏は日の当たる南側に「庇(ひさし)」や「ブラインド」を設置して日射熱を軽減し(日射遮蔽・にっしゃしゃへい)冬は南側の「大きな窓」から十分な日射を得て部屋内を暖かく保つ工夫が施されています。
熱交換システム
熱回収率が高い熱交換システムの設置が必要な場合があります。冬であれば排気される室内で暖まった空気の熱を給気する室外の冷たい空気に移行させ、熱エネルギーの損失を抑えます。 その他にも家中の断熱性と気密性を上げて熱が逃げるのを防ぐ事や、全館空調を取り入れてエアコン1台だけで空調を行うなど、省エネに関する多くの工夫が施されています。
パッシブハウスの価格帯
パッシブハウスの認定を取得する家は厳しい基準をクリアするために、断熱性や気密性を高くしなければならないので、高額なってしまいます。一概には言えませんが、一般的には2割~3割程度は高くなるようです。この費用に関してはハウスメーカー・工務店や空調方式によっても大きく変わってきますので、相性の良いビルダーと空調方式の選択は重要になってくるでしょう。また初期費用が割高でも、ランニングコストが安いのがパッシブハウスの最大の魅力です。長く暮らすほど費用対効果が大きくなるので数十年後のトータルコストをしっかりと把握しておくことも忘れずに。
パッシブハウスのメリット
究極の省エネ住宅
パッシブハウスはよく比較されるZEH(ゼロエネルギーハウス)や高気密高断熱住宅に加え、自然のエネルギーを最大限活用して省エネを実現する事を軸としています。それは、消費エネルギーを抑えて地球環境を守るだけでなく、低い光熱費で住まう家族のお財布に優しいというメリットにもなります。
最低限の設備で暮らせる
自然の力を最大限利用するという事は、空調などの設備機器の使用が最小限で済むということ。快適性を維持したまま設計や建物の性能で不要な設備をなくしていく事で故障のリスクやメンテナンスの費用も下がります。
住むだけで健康になれる
家の中の寒暖差が大きいとヒートショックのリスクが高まります。実は毎年ヒートショックでなくなる人は交通事故の死亡者数より多いのです。パッシブハウスは高い断熱性と緻密な空調計画により、家中が一定の温度に保たれるので、そのリスクを減らす事ができます。また、外気の暑さ・寒さに影響されにくく、一年中快適な温度を保つ事ができるので、体に負担のかからないストレスフリーな環境で暮らす事に繋がります。夏に寝苦しかったり、冬に布団から出られなかったり、なんて事もなくなるかもしれませんね。
長く住まう事ができる
高い気密性能により、壁内結露を抑える事ができるので、カビや腐食のリスクを減らすことができます。また、現時点で最高の性能が施されているパッシブハウスは子や孫の代まで快適性の高い家でいられる事でしょう。代が変わるごとに建て替えるのではなく長く住み継げるという事はコストカットだけではなく建築廃棄物の軽減にもつながります。
パッシブハウスのデメリット
初期費用が高い
パッシブハウスの価格の項でもお話したように、断熱性や気密性を上げて高性能住宅にするための初期費用が掛かり、一般住宅の2~3割ほど割高になる場合がほとんどです。ですが、日々の光熱費であるランニングコストが下がるので、長く住めば住むほど費用対効果高まります。初期費用だけではなく、数十年後のトータルコストも加味して考えたいところですね。
工期の長さ
パッシブハウスは、緻密な計算に基づいた設計から始まり、資材の選定、施工、各種測定など各工程が一般的な住宅に比べて長くなる事がほとんどです。ビルダーが決まったら、事前にどのくらいの工期かを確認しておくことが大切です。
立地に制限がある場合
日射取得が重要となるパッシブハウスでは周辺の家の高さなど様々な条件を考慮しなければなりません。なので、パッシブハウスに最適な土地に建てるというのは現実的には難しいでしょう。特に市街地では狭小地に建てる場合が多く、より困難になってきます。その場合は建物の配置や窓の位置などの工夫する事が必要になってきます。
パッシブハウスを取り扱えるハウスメーカーが限られる
パッシブハウスはパッシブハウスジャパンに登録された省エネ診断士が在籍するハウスメーカー・工務店でしか建てる事ができません。高い基準をクリアするためには省エネに関する設計、施工、知識、実績が求められるのです。日本でパッシブハウスの認定を行っている「パッシブハウスジャパン」のHPから全国のパッシブハウスジャパン会員となる工務店や設計事務所を探すことができますよ。是非お近くのビルダーを探してみてくださいね。
パッシブハウスのビルダー探し
前項でもお話したようにパッシブハウスがパッシブハウスジャパンから認定を受けた省エネ診断士が在籍するハウスメーカーや工務店でないと建てる事ができません。お近くにそのようなビルダーがあるのか、パッシブハウスジャパンのHPで是非探してみてくださいね。パッシブハウスジャパン お近くのプロフェッショナル検索
いかがでしたか?パッシブハウスの疑問は解決できたでしょうか?さらにパッシブハウスについて詳しくお知りになりたい方はお近くのパッシブハウスビルダーに相談してみてくださいね。みなさんの家づくりが満足度100%となるよう、応援しております!
京都でパッシブハウスを建てたい方へ
京都の工務店wanoca(わのか)は「自然素材でつくる高性能×全館空調のパッシブ住宅を京都に」をコンセプトに高気密、高断熱の高性能住宅に全館空調を掛け合わせたパッシブハウスを自然素材を使ってつくり上げる事のできる唯一無二の工務店です。
パッシブハウスジャパンの会員でもありますので、パッシブ認定の取得から、パッシブデザインの住宅まで、お客様の予算とご希望に沿った家づくりを致します。
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